研究課題
基盤研究(C)
化合物内に窒素原子を有する5炭素ユニットと、三員環を持つ3炭素ユニットとを反応させる[5+3]環化反応の開発に取り組んだ。希土類金属(レアアース)の1つであるイッテルビウムを触媒として用いることで所望の8員環が合成できた。その反応開発過程で、新しい希土類金属触媒の開発とそれを使った6員環構築反応の開発、LEDライト照射による酸化反応の開発、LEDライト照射による環状アミノ酸合成法の開発にも成功した。
有機合成化学
生物活性化合物は複雑な構造を持つ有用分子群であり、その多くが環構造を持つ。一方で、目的の環構造を少ない工程数で環境への負荷を最小限に抑えながら化学合成することは最先端合成技術をもってしても簡単なことではない。本研究によって、5~8員環の新しい構築反応開発に成功した。その実現のために、既存の条件の新しい組み合わせを模索しただけでなく、LEDライトを使う最新の化学合成法も取り入れた。得られた化合物はいずれも生物活性が期待できる構造を有しているため新しい医薬品原料となる可能性を秘めている。