bicyclo[2.2.2]octane骨格をもつチアゾリウム塩は、さまざまな条件検討により成功したが、塩基によるカルベン発生については安定な化合物の単離には至らなかった。カルベンが発生していることは示唆されており、銀錯体生成や系中発生の銅錯体による反応を試みることは出来た。再現性のある結果は得られていないが、詳細な検討を行う上での基礎固めは出来た。 bicyclo[2.2.1]heptane骨格については、ナフタレン環、アントラセン環を導入することにNN系ではあるが成功した。X線構造解析、Ir錯体の測定により配位子としての電子的性質の比較を行うことができ、NS系への変換の前段階まで到達できた。
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