近年,ERβがトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の増殖に関与している可能性が示唆されたことから,ERβ選択的アンタゴニストは,TNBCの分子標的になると考えた.ERβのリガンドであるWAY-202196に長鎖アルキル基を導入したWC10をデザインし,7ステップで合成した.WC10はWAY-202196と同様にERβに対する高い選択性を示した.また強制発現系においてERβ選択的なアンタゴニスト活性を示した.さらにMDA-MB-231細胞に対する細胞増殖抑制効果を示した.WC10はERβ選択的アンタゴニストとして,TNBCに対する分子標的治療薬になる可能性が示唆された.
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