本研究では、転写制御因子PIAS1が低酸素誘導因子HIF-1依存的な遺伝子発現に及ぼす影響を解析した。その結果、PIAS1は、HIF-1αの転写活性の増強を介して、HIF-1依存的な遺伝子の発現を正に制御することが判明した。また、PIAS1は、HIF-1αと結合し、HIF-1αのSUMO化修飾を促進することが分かった。さらに、PIAS1は、HIF-1αとアセチル化酵素p300の結合を増強することが示された。以上の結果から、PIAS1は、SUMO E3リガーゼ活性依存的にHIF-1αの転写コアクチベーターとして機能することが新たに明らかとなった。
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