(1)RGNがマクロファージを介した脂肪細胞の炎症反応を抑制したことは,RGNを標的とした肥満症の新しい治療法の開発につながると考えられる.さらに,RGNがマクロファージを介した膵β細胞のアポトーシス細胞死を抑制したことは,RGNを基軸とした肥満性糖尿病の新しい分子病態機構を提唱することができた.(2)RGNが癌細胞の増殖を抑制する生体内因子であることを発見したことは,RGNを基軸とした癌治療を見据えた基礎研究が可能になった.(3)RGNが神経細胞のストレス顆粒の形成に関与していたことは,神経変性疾患の発症に対してRGNがストレス防御因子として機能するという新しい概念を提唱することができた.
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