本研究では、抗がん剤イリノテカンを暴露し、重篤な消化管障害を発症させたモデルラットを用いて、当該ラットにおける薬物動態関連トランスポーターおよび内因性物質輸送トランスポーターの発現変動を、臓器横断的に解析することを目的とした。 イリノテカン曝露ラットから、小腸、肝臓、腎臓を摘出した。各臓器の細胞膜画分を調製後、トリプシン消化後、サンプル中の各トランスポータ特異的ペプチド量をLC-MSMSによる絶対定量プロテオミクス解析により評価した。 結果として、P糖タンパク質ほか、内因性物質輸送トランスポーターにおいても有意な発現変動が確認された。本結果は、基質薬及びよび内因性物質の体内動態変動を示唆する。
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