研究課題
基盤研究(C)
本研究では、複数の研究手法(試験管内で3次元的に培養したヒトミニ腫瘍共培養モデル、担癌マウスモデル、大規模自発報告有害事象データベース(FAERS))を用いた統合的な解析により、妊娠高血圧腎症の治療薬候補として報告されている複数の薬物が、癌治療に用いられる血管新生阻害薬(ベバシズマブやアフリベルセプト等)の抗腫瘍効果や、副作用としての高血圧を減弱する結果を得た。
医療薬学
種々の基礎的検討(3次元的に作製したミニ腫瘍共培養モデルや、担癌マウスでの解析)により、特定の既存薬が、血管新生阻害薬の抗腫瘍効果や副作用が減弱する可能性を示した。さらに大規模自発報告有害事象データベースの解析により、結果にかかる臨床的な裏付けが一部なされた。これらの結果は、癌に併存する疾患の治療に用いられる治療薬が、一部の癌治療に用いられる薬物の抗腫瘍効果に影響する可能性を示すものである。本研究が結果がもたらす影響について臨床研究の蓄積が必要である。