国内で承認されている抗MRSA薬は少ない。さらに不適切な投与により薬への耐性を示す耐性菌が生じることが知られており、これにより使用可能な薬がなくなってしまうという問題がある。このような事態を引き起こさないためにも投与の最適化が求められるが、正常ではない特殊な環境に置かれた患者における薬の体の中での動きについては明らかになっていない。 本研究において低体温がバンコマイシンやテジゾリドに与える影響が一部明らかになった。さらに、臓器組織での濃度がどのように変化するかを明らかにしたため、投与最適化を行うための基礎的情報が得られたと考えられる。
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