研究課題/領域番号 |
19K07237
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
飯原 なおみ 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (40412390)
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研究分担者 |
佐藤 嗣道 東京理科大学, 薬学部薬学科, 講師 (50305950)
吉田 知司 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (80220656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脂質異常症 / スタチン / 骨折 / レセプト / ドラッグ・リポジショニング |
研究実績の概要 |
脂質異常症治療薬スタチンは骨吸収抑制と骨形成促進の両作用を有し、臨床報告では骨折発症を抑制するという報告があるが反する報告もある。本研究では、日本におけるスタチンと骨折発症リスクとの関係性を調べる目的で、大規模レセプト情報を用いた、医薬品の新たな効果の掘り起こし(ドラッグ・リポジショニング)に取り組む。レセプト情報は、情報の正確性に劣るという限界を有するが、一方で、医薬品の使用履歴を患者ごとに一元化でき、また、多くの診療・調剤請求にかかる情報を有するという利点がある。 2019年度は、レセプト情報の解析から得られた予備的知見を発表した。ケースクロスオーバ―デザインという手法により、脆弱性骨折を発症した65歳以上の患者446,101人を対象に、骨折発症直前に使用した医薬品と、30日以上前に使用した医薬品を比較した結果、スタチンは骨折発症リスクを低下するという知見を得た。そのリスク低下は、女性、超高齢者、脊椎圧迫骨折において、(それぞれ男性、他高齢者、他部位に比べて)大きい傾向がみられ、大規模情報の解析により、骨折効果のあるポピュレーションを見出せると考えられた。しかし、これらの知見は、多くの限界を有する予備的知見であり、別の手法を用いて検証する必要がある。 そこで、2019年度は、別の手法(コホートデザイン)による新たな研究の計画を、研究分担者・研究協力者と連携して作成し、研究計画に基づいた、レセプト情報データセット提供の申し出を行い承諾された。今後、データセット入手後に解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた2019年度の目標を達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
レセプト情報データセット提供時期が不明であるが、データセット入手後にすぐに解析に取りかかれるよう、データ編集・解析の手順について十分に検討し代替案についても検討しておく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、予備的知見の発表と、その知見を踏まえて新研究の研究計画を練り直したため、データ解析環境の構築が十分に行えず、次年度使用額が生じることになった。2020年度は、次年度使用額と翌年度助成金を用いて、データ解析環境を整備し、また、解析手法を構築する。
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