パンクロニウムは筋弛緩薬の一つであり、筋に発現しているアセチルコリン受容体(nAChR)をブロックする。これまでパンクロニウムは細胞外のリガンド結合サイトに拮抗的に作用すると想定されていたが詳細な検討はされてこなかった。本研究では当初、遺伝コード拡張法を用いてパンクロニウムが結合するか検索する予定であったが、研究の過程でより簡便にキメラタンパク質を作成することで結合部位を調べることが可能であることを発見し、結合部位を調べたところ、膜貫通部分もしくは細胞内部分がパンクロニウムの感受性に重要であることを発見した。本研究はパンクロニウムがnAChRの拮抗薬ではないことを示した初めて研究である。
|