研究課題
基盤研究(C)
心筋の収縮力は、アクチン線維とミオシン線維が規則正しく整列した収縮単位であるサルコメアの中で、アクチン線維とミオシン頭部との間の架橋形成によって生み出される。この架橋形成の制御において、アクチン線維の形成・維持を担う分子マシナリーが果たす役割を検討した結果、本マシナリーの主要構成因子であるフォルミン蛋白質が動物種や臓器、細胞種に特異的な機能を通じてアクトミオシン相互作用を制御していることが明らかとなった。
分子細胞生化学
心不全は近年増加の一途にあり、全世界的に「心不全パンデミック」の到来が予想されているが、心不全進展の分子メカニズムに未だ不明な点が多いため、現状では病状進行の抑制と症状軽減を目指した対症療法が中心である。本研究成果は、心筋収縮力の制御機構の理解を通じて、心不全進展の分子機構の解明に貢献するだけでなく、本制御機構を標的とした新規治療法の創出につながると期待される。