本研究は、加齢や酸化ストレス、そしてストレス応答因子が卵巣機能に与える影響を解明することを目的とし、加齢マウスおよび遺伝学的に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)様症状を呈するマウスを用いて解析を行った。加齢マウスでは卵巣の組織学的変化と酸化ストレスの増加が観察された。PCOSモデルマウスではアンドロゲンの過剰曝露により卵胞の形態異常、炎症、酸化ストレスマーカーの上昇が確認された。抗酸化剤の投与により一部の組織症状の改善が観察されたが、排卵には至らず卵巣機能は完全には回復しなかった。以上の結果は、酸化ストレスとその応答系が不妊に及ぼす影響の解明に貢献すると考えられた。
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