自閉症やうつ病,不安障害などの神経発達障害における性差が生じる要因には,性染色体上の遺伝子の関与や胎児期・新生児期の脳の発達における性ホルモンの影響など複合的な要素が複雑に絡み合っていることが示唆されている。我々は,神経発達障害の一つである自閉症に対するオキシトシン臨床試験の過程で,オキシトシン投与の効果が男性に強く現れること,そして男性の中でも非常に大きく現れる者からほとんど効果を示さない者まで,非常にその効果が広範であることを明らかにしてきた。本研究課題ではOXTR遺伝子やAVPR遺伝子のエピゲノム解析を行い,社会性障害や情動障害などの神経疾患発症における性差を生み出す可能性を検討した。
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