近年、タンパク質翻訳の増大による神経ネットワークの過剰な興奮が自閉症に繋がる事が提唱されており、CNOT3が自閉症リスク遺伝子候補として同定された。更に、CNOT9の新規突然変異を持つ患者は発達・知的障害やてんかんを起こすことが報告されるなど、次々とCNOT変異疾患が明らかになっている。本研究の成果は、これまで分かっていなかったCNOT複合体の脳神経系における役割を、様々なCNOT変異マウスを用いる事により、どのような遺伝子変動があるか、どのような行動異常を呈するかなどを解明しており、脳神経系におけるCNOT複合体の遺伝子発現制御御機構の破綻による障害および疾患の理解に寄与する事が期待される。
|