免疫組織化学的検討にて、筋層浸潤膀胱尿路上皮癌と同リンパ節転移検体でのAR発現は概して低いものの、AR高発現を示す症例が一部存在することも確認された。ヒト膀胱尿路上皮癌細胞株であるT24細胞に対してAR強制発現株作成を行った結果、AR関連因子であるPMEPA1の発現上昇が確認された。他、T24細胞のPMEPA1強制発現株ではEMTマーカーのvimentinの発現が減少し、更にT24細胞のAR-PMEPA1二重強制発現株ではDHTの濃度依存的にcaspase-9の発現上昇、増殖能低下がみられた。以上から、膀胱癌ではAR、PMEPA1、EMTの関連性が病態に重要な影響を与えうる可能性が示唆された。
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