OCIAD2は浸潤性肺腺癌で高発現するミトコンドリア局在タンパク質であるが、その詳細な機能と分子メカニズムは明らかではなかった。本課題では、肺腺癌細胞でのOCIAD2の発現抑制が細胞増殖を抑制しミトコンドリア依存性アポトーシスを引き起こすことを見出し、その機能に重要と考えられる新たな結合タンパク質も同定した。今後は、OCIAD2が結合相手の1つであるVDAC1とどのように作用するかを解析し、この結合を阻害して腫瘍進展を抑制する治療戦略を開発したい。これにより、OCIAD2-VDAC1複合体またはOCIAD2-その他の結合相手を標的とした抗腫瘍薬が肺腺癌の有望な治療法となる可能性がある。
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