本研究では、上皮バリア機能の破綻を細胞極性制御因子aPKCの活性制御により抑制されるか明らかとする事を目的とした。 培養上皮細胞を用いた解析から、ラジカル発生剤やLPSの前処理によるaPKCの活性化は、カルシウム除去による細胞間接着構造の消失を抑制した。この効果は、インフラマソームの活性化阻害剤のカスパーゼ-1阻害剤の処理により阻害された。一方、肝障害、肺障害モデルマウスを用いた解析から、低濃度LPSの前処理によりそれら組織の細胞間接着構造の保護作用が確認された。 以上の結果から、細胞障害前のaPKC活性化は、インフラマソームの活性化を介し細胞間接着構造の保護効果を発揮する事が示唆された。
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