これまで、脂質合成経路がトリプルネガティブ乳がん治療標的候補として検討されてきた。しかし、脂質合成の阻害が有効な患者の選択、薬剤耐性などについては不明な点が多い。さらに重大な課題が、治療標的としての安全性である。本研究により我々は、NFYAの発現パターンが脂質合成阻害の有効性を見分けるマーカーとして有用であり、さらに、NFYAv1が他の脂質合成酵素の阻害よりも、安全に同程度の効果を得ることを明らかにした。これらの結果は、今後のトリプルネガティブ乳がん治療薬開発において極めて重要な知見であると考えている。
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