がん抑制タンパク質と考えられているHICタンパク質が、発がんに関与する低酸素誘導因子(HIF)-1αと相互作用し、その機能を抑制する事を見出した。そして、内在性のHICの発現の低下により、HIF-1αの標的タンパク質の発現が低酸素下で増大することが明らかになり、HIF-1αの機能制御がHICによる発がん抑制に重要である可能性が明らかになった。 興味深いことに、HICを標的とするHTLV-1の発がんタンパク質であるTaxとHBZも相互作用によってHIF-1αの機能を抑制した。このことは、HIF-1αシグナルは、HTLV-1感染細胞の感染維持や増殖において不利に働く可能性を示唆した。
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