腸内細菌叢は、腸管免疫や代謝産物を介して宿主の恒常性維持に重要な働きをもつ。本研究では、腸内細菌叢の変化がATLの憎悪のリスクファクターとなりうる可能性を初めて証明した。健常者と比べてATL患者で有意に増加する細菌群の同定に成功し、腫瘍マーカーとして知られるsIL2Rと相関する細菌群を見出した。さらに、HTLV-1キャリアで増加している細菌群から、HTLV-1プロウイルス量と相関する細菌が存在することがわかった。また、ショットガンメタゲノムデータの解析から、ATL患者において腸内代謝異常が起こっている可能性を示唆する結果が得られ、ATLの病態形成に関わる可能性が推測された。
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