腫瘍内に浸潤している腫瘍特異的T細胞の中には,機能不全に陥り,腫瘍を攻撃できなくなっている「疲弊化」細胞が見られ,腫瘍の治療においてしばしば問題となる。本研究では疲弊化T細胞内に高発現する転写因子Eomesodermin(Eomes)に注目し,EomesをT細胞に常に高発現させるようなトランスジェニックマウスを作成し解析した。その結果,EomesはT細胞疲弊化を複数の機構により促進することが示唆された。またEomesはT細胞疲弊化誘導において,T細胞疲弊化に重要であることが示唆されているmiR-31とよばれる分子の転写を介していることも示唆された。
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