本研究では、中性子捕捉療法剤としてのGdテトラ(メチレンホスホン酸)キレート(Gd-EDTMP)の組織分布と効果を評価した。骨端線が閉じた高齢のマウスで発がんモデルを作成し同様の検討を進めた。中性子照射後、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)を用いて、骨内および骨周辺の157Gdの分布を分析した。20 mg/kgのGd-EDTMPを腹腔内に投与すると、24時間後には骨内に1000-2000 ppmのGd濃度が存在することがわかった。また、4T1乳腺腫瘍の骨転移モデルマウスにおいて、統計学的に有意ではないものの、中性子照射による腫瘍縮小効果が観察された。
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