サルコペニアは筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられ、身体機能障害、生活の質の低下や死のリスクを伴う。正常な筋量・筋力を維持することは高齢者の身体機能を維持し健康寿命を延伸するために極めて重要である。肥満・内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を惹起し、脂質異常、耐糖能異常、高血圧をもたらし、動脈硬化の促進と心血管疾患発症のリスクを高め、患者の生命予後やQOLの低下をもたらす。本研究における骨格筋において甲状腺ホルモン活性化を介してサルコペニアを改善しうる新規G蛋白共役受容体の同定は将来的にサルコペニア肥満を予防ならびに治療するための分子基盤を確立し、健康寿命の延伸につながる成果である。
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