研究課題
基盤研究(C)
多発性骨髄腫の診断等に有用なバイオマーカーについて、培養細胞および細胞から放出されるMタンパクおよびエクソソームの糖鎖に着目して探索した。レクチンとの反応性を指標に検討した結果、細胞表面またはエクソソームに結合している糖鎖のうち、サイトカイン刺激に反応する複数のマーカー候補を見出した。また、多発性骨髄腫の合併症である骨融解病変の発症にエクソソームが関与しており、破骨細胞前駆細胞へのエクソソーム取り込みにエクソソーム糖鎖末端のシアル酸が関係することを示唆した。
病態生化学
多発性骨髄腫の診断等には、侵襲性が高い検査が必要であることから、新たなバイオマーカーの開発が期待されている。さらに多発性骨髄腫患者に生じる全身性の合併症の発症機序はいまだ明らかになっていない。本研究では、全身へ分泌されるエクソソームをターゲットとした探索により、多発性骨髄腫に関して侵襲性の低い検査に応用して患者の負担軽減につなげることはもとより、他の固形癌においてもエクソソームが放出されていることから、新たな腫瘍マーカーの開発につながる。