研究課題/領域番号 |
19K07942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
稲葉 亨 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60203204)
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研究分担者 |
永田 健児 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00457988)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 硝子体疾患 / 硝子体混濁 / 眼内Tリンパ球 / フローサイトメトリー / 悪性リンパ腫 / 制御性Tリンパ球 / PD-1陽性細胞傷害性Tリンパ球 / 硝子体IL-10/IL-6比 |
研究成果の概要 |
B細胞性眼内リンパ腫(B-IOL)は硝子体混濁の主要な原因疾患であるが、病理組織検査が実施困難な場合も多く、しばしば診断に難渋する。一方、B-IOLは中枢神経系病変を合併しやすく致命的となり得るため、迅速かつ適切な診断が必要である。 我々は6-color flowcytometryによりB-IOLでは他の硝子体混濁性疾患と比較して硝子体内の制御性Tリンパ球比率が低く、PD-1陽性細胞障害性Tリンパ球が高値であることを示した。この所見は硝子体内IL10/IL6比と同様に、腫瘍細胞が硝子体内で明らかに増加する以前の段階から認めており、B-IOLの存在を病初期に示唆する有用な指標となることを示した。
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自由記述の分野 |
臨床検査医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B-IOLの診断は病理組織学的検索が困難なことが多く、現状では硝子体細胞診や免疫関連遺伝子検査が主な検査手段として用いられる。ただし、これらの検査は硝子体IL10/IL6比より感度が低く、結果判明まで時間を要する。今回、我々が用いた硝子体リンパ球FCMは迅速かつ定量的に結果を得ることが可能であり、硝子体内IL10/IL6比と同様にB-IOLの存在を病初期に示唆することで、B-IOL患者の予後改善につながると考えられる。また、B-IOLにおけるPD-1陽性Tc比率高値という結果はリンパ腫細胞の免疫学的逃避の主体と考えられ、B-IOLに対する免疫チェックポイント阻害剤の有用性を評価する意義がある。
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