研究課題
(1) iPS由来骨格筋の分化誘導と成熟度・機能性評価システムの開発:これまでに開発した培養法を改良し、ヒトiPS細胞から簡便・迅速・高効率に骨格筋を誘導する培養法を確立した。さらに、この方法で誘導した骨格筋を三次元で培養し、筋収縮を得ることに成功した。現在、さらに成熟を促進する培養法の開発を進めている。(2) SBMA患者iPS細胞由来骨格筋における病態解析:SBMA患者、および健常者iPS細胞から骨格筋への分化誘導を行い、細胞死、成熟度などについての病態変化を解析したが、十分な病態変化が観察されなかった。そこで、(1)で開発中の成熟促進法を用いた病態解析を進める予定である。(3) 患者iPS由来骨格筋の病態関連因子の探索:候補アプローチによる遺伝子発現変化を行ったところ、患者由来骨格筋で病態変化を示す分子を複数同定した。さらに、トランスクリプトーム解析を行い、発現変化を示す分子の同定を進めている。(4) 骨格筋病態関連分子の機能解析:(3)で同定した分子について、健常者、または患者iPS細胞由来骨格筋や運動ニューロンを用いた機能解析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
iPS細胞から、より簡便、高効率に骨格筋を分化誘導する培養法を開発し、さらにその機能性を示すことに成功した。また、分子変化の解析では、候補アプローチ、および網羅的解析により、病態との関与が示唆される分子を複数同定しており、おおむね順調に進捗していると考えられる。
(1) iPS由来骨格筋の分化誘導と成熟度・機能性評価システムの開発iPS細胞由来骨格筋の成熟を促進する方法の開発を進めていく予定である。(2) SBMA患者iPS細胞由来骨格筋における病態解析(1)で開発中の成熟促進法を用いて、骨格筋における細胞死、成熟度、変異AR凝集体形成などの病態解析を進める予定である。(3) 患者iPS由来骨格筋の病態関連因子の探索とその機能解析候補アプローチ、および網羅的解析により、患者由来骨格筋で病態変化を示す分子を複数同定しており、さらに病態関連分子の探索を進める。また、同定した分子の、機能的解析も進めていく予定である。
効率的な研究費の使用に庵、次年度使用額が生じた。試薬や実験器具等の消耗品の購入、研究技術員の雇用等に充てる予定である。
すべて 2021 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Commun Biol.
巻: 421 ページ: 117305
10.1016/j.jns.2020.117305.
Mol Ther Nucleic Acids.
巻: 24 ページ: 1月10日
10.1016/j.omtn.2021.02.007.
Lab on a Chip
巻: 21 ページ: 1897-1907
10.1039/d1lc00048a.
PLoS One.
巻: 16 ページ: e0255274
10.1371/journal.pone.0255274.
Neurochem Int.
巻: - ページ: 105179
https://www.aichi-med-u.ac.jp/su06/su0607/su060703/02.html