研究課題/領域番号 |
19K07980
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
平野 照之 杏林大学, 医学部, 教授 (50346996)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 虚血コア / ミスマッチ / 血行再建療法 / 脳梗塞 |
研究実績の概要 |
2019年度より脳梗塞急性期画像診断のアルゴリズムからMRIを省き、CT灌流画像へ評価法を切り替えた。虚血コアサイズ(<70ml)と救済可能組織(虚血ペナンブラ)の局在を考慮して血行再建療法(rt-PA静注療法、機械的血栓回収療法)の適応を判断した。2019年4月から2020年3月までに61例(男性22、女性39、年齢78.8±11.9歳)を登録した。心原性を含む脳塞栓症 52例、大血管アテローム硬化 4例、その他 5例であり、初診時の重症度はNIHSS中央値 21(四分範囲 16-25)であった。rt-PA静注療法を13例、機械的血栓回収療法を36例に実施した。2例で虚血コアのうちfollow up画像で梗塞化を回避している現象がみられた。 虚血コアがeloquent area(M5, W, IC)に及ぶ症例の機能回復は乏しかった。また、虚血コア体積<70ml^3 に相当するASPECTSはばらつきが大きかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は急性期脳梗塞画像診断としての灌流情報収集の習熟に努めた。想定したペースよりも順調に症例を重ねることができている。一方、治療所要時間の短縮を優先するため、拡散強調MRI画像の撮影はスキップした。このためDWI reversalの検討は難しくなり、灌流画像における虚血コア体積を用いる解析方法への修正が必要となっている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き灌流画像による急性期虚血組織評価を継続して行う。目標とするClinical Core location Mismatch概念の確立には最低100症例が必要と考えられ、次年度も症例の渉猟に努める。発症時刻不明例など、血行再建にMRI情報が求められる症例では、DWI reversal現象についても検討を加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は症例登録に費やし、画像解析様の専用ワークステーションの導入を次年度に持ち越したため。
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