研究課題/領域番号 |
19K07980
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
平野 照之 杏林大学, 医学部, 教授 (50346996)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 虚血コア / ミスマッチ / 再灌流療法 / 脳梗塞 |
研究実績の概要 |
前年度の実績(虚血コア測定をDWIで行う症例の減少)を踏まえ、CT灌流画像を用いた虚血コア体積評価について解析アルゴリズムの再検討を行なった。対象は機械的血栓回収を実施し有効再開通(TICI 2b/3)が得られた50症例(男性26, 女性24, 年齢79歳, NIHSS 中央値22)とし、SVD法とベイズ推定法によるmalignant profile(コア体積>70mL)の正診度を比較した。その結果、両者とも患者転帰予測の指標として有用であったが、SVD法ではコアサイズを過大評価する例が2例あり、より正確にコア体積を把握するにはベイズ推定法を用いることが望ましいと考えられた。さらに2020年6月までの43症例でベイズ推定法による虚血コア体積(x)とDWI梗塞体積(y)を比較したところ y=1.0008x-11.162 と良い相関が得られた。 この結果を踏まえて、最終年度には虚血コア局在と患者転帰の関係を再検証し、脳機能局在を考慮した画像判定指針を策定・提示する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に懸念された課題は、今年度の追加解析によって、解決方針が見い出された。COVID-19パンデミックで新規症例登録の進捗は滞っているが、これまで蓄積・構築したデータを用いて予定した成果は導くことができる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
年度あたり40-50例の新規症例を登録できており、研究期間内に目標の100例は達成できる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19蔓延により参加を予定していた国際会議(WSO-ESO, APSO)がすべてWEBでのオンライン開催に変更されたため旅費の支出が不要となった。費目間流用を利用し、WEBで国際研究協力者との情報交換のためのシステム整備を拡張すること、さらには灌流情報解析に必要なハードウェア(ワークステーション)の更新に充てる計画である。
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