研究課題
前年度より継続するコロナ禍での診療制限、およびこれに伴う患者数減少によって解析対象となる十分な症例数が確保できていない。2019年4月から2021年9月までにCT灌流画像に基づいて血栓回収療法を実施した患者は78例(平均年齢 78歳, 心臓原性脳塞栓症 55例, NIHSS中央値 21)であった。閉塞血管は内頸動脈 18例、中大脳動脈M1部 44例, M2部 16例であり虚血コアサイズの平均値は 31(13-57)mLで、研究計画時点で想定した範囲内の分布であった。症例登録を1年間延長することでclinical symptomとcore locationミスマッチコンセプトを支持する研究成果の集積を目指す。
3: やや遅れている
COVID-19蔓延によって救急入院患者数が想定以上に減少している。前向き症例登録に加え、解析に耐える既症例を渉猟し次年度内に成果をえるように研究を進める。
渉猟しえた78例を解析すると、当初の虚血コア判定された領域のうち、治療後に梗塞に至らない部位が存在することが明らかとなった(ゴースト虚血コア現象)。この現象の病態解明を進めている姉妹研究の知見も加え、本課題(クリニカルクエスチョン)への解を導き出す方針である。
コロナ禍で予定していた国際学会での情報交換の機会が失われ、計上していた旅費の支出が0となったため。2022年度にオンラインを含めた情報交換の場を設定し、解析に必要なソフトウェアや物品の購入に充当する。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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