研究課題/領域番号 |
19K08104
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
井上 政則 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30338157)
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研究分担者 |
淵本 大一郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (10343998)
中塚 誠之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50188984)
上野 彰久 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80348755)
板野 理 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (90265827)
鈴木 俊一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (90391581)
松田 祐子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (90534537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / 動物実験モデル |
研究実績の概要 |
本研究では免疫不全豚であるIl2rg-KOブタを用いた肝癌大動物実験モデル作成を行う予定であった.国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の協力の下,免疫不全豚を茨城県から慶應義塾大学に搬送して全身麻酔下にIl2rg-KOブタ肝臓内に細胞株を複数の方法(以下,方法1,方法2)にて移植を行う.. 方法1:18ゲージ/16ゲージPTBD針を用いて,冷却して細胞株懸濁液とマトリゲルを混和した後に粘稠度をあげるために,常温に近い状態に戻して肝実質内に注入する. 方法2:豚腹部に小切開をいれ,肝実質を露出する.肝実質に剪刀にて切開をいれ,そこに常温で個体に近い状態にした細胞株懸濁液とマトリゲルの塊を植え込む.1, 2の実験後に超音波にて,腫瘤形成の有無を経時的に確認する.生着しなければ,細胞株濃度を変えて,さらに追加の実験を行う. その後,血管造影下CTやダイナミックCTにて血流動態検討を行う予定出会った.しかし2019年に本邦で豚コレラの感染が見られた.このため豚コレラのワクチン接種地域に、茨城,東京,千葉も加わる事が決定した.基本的には全頭で例外は哺乳豚のみであるが,免疫不全ブタ(IL2RGヘテロKO、RAG2ホモKO)も哺乳中は例外となるが,離乳後には接種対象となる.このため食品産業技術総合研究機構から東京への移送が制限をされる可能性があるため,本年度は研究を行うことができなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験準備は進めたが,豚コレラが本邦で蔓延し,その対策のため、食品産業技術総合研究機構がある茨城県でも2019年2月以降にワクチンの接種を行うことになった。組換えブタもその対象となるが,豚コレラワクチンは、生ワクチンであり免疫不全ブタへの接種は効果がないだけでなく、ウイルス血症を引き起こす可能性もある.また接種後はブタの移動が制限されることになっため,実験が進められなかった.
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今後の研究の推進方策 |
既に茨城,東京もワクチン接種推奨地域に指定されているため,ワクチン接種以前のブタの移動をする際にはブタ出荷時点ではワクチン接種しないが,東京都下のブタは全頭接種が原則のため東京にてワクチン接種をする必要があり.例外となるには、慶應義塾大学医学部の飼育施設が高度な隔離・監視下にある施設として確認を受けている必要があるため、今後確認を行って,実験の方向性を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は豚コレラの発生により,免疫不全豚の移動が制限をされたため,実験を行うことが困難であった.このため,実験準備は既に行っていたが,実験を実施することが困難であったため.次年度以降は,豚来コレラの収束,あるいは前述の他の方法を検討して実験を行う.未使用額に関しては,次年度に行う実験で使用する免疫不全豚の繁殖及び子豚の飼育,ブタの購入代金,飼育費,手術必要物品,豚の組織採取にあたっての薬剤や,組織の検討実験における薬剤,消耗品の購入費,CT施設使用費用に使用する.
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