野生型(WT)とチオレドキシン-1(TRX)-Tgマウスを新生仔期に高濃度酸素に曝露し、網膜表現型を評価した。高濃度酸素曝露後のWTでは、網膜内の無血管野と新生血管による結節面積の増加が認められたが、TRX-Tgでは、増加が軽減された。曝露後のWT網膜では、血管新生因子の発現低下と炎症性サイトカインの発現上昇を認めたが、TRX-Tg網膜では認めなかった。高濃度酸素曝露からの回復期では、TRX-Tgでは、異常な新生血管形成および血管透過性の亢進を抑制した。以上、過剰発現したTRXは、炎症性サイトカイン及び血管新生因子の遺伝子発現を調節することにより、高濃度酸素性網膜症の表現型を軽減させた。
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