自然流産は全妊娠の約15%でみられる。不育症とは妊娠は成立するものの流死産を繰り返し、最終的に健康な生児を持てない状態と定義され、習慣性流産とほぼ同義に用いられる。不育症は全妊娠の約3-5%で一般の認知度に比べて非常に高率である。不育症の65%以上は原因不明で難治性のものがかなりの割合で存在する。原因不明の難治性不育症については、確立された治療法が全くないのが現状である。我々の研究により、正常妊娠・不育症発症のメカニズムを解明できれば、原因不明の難治性の不育症のスクリーニング法、治療法を確立することができ、最終的には、日本が抱える「少子化問題の解決」に大きく貢献することが期待できる。
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