この研究ではiPS細胞を使ってダウン症の中枢神経病態を再現し、アルツハイマー様の急激退行症の病態とその改善法を検討することを試みたものです。iPS細胞から大脳オルガノイドというヒトの脳に類似した組織を作り出すことが出来ましたが、7か月程度の培養ではアルツハイマー病に関連した明確な変化は得られませんでした。一方、アルツハイマー病に関連するAPP遺伝子、DYRK1A遺伝子等の遺伝子は予想通りダウン症由来の細胞で高発現しており、これらの細胞を用いてダウン症が有するアルツハイマー病のリスクと病態との関連について、今後検討していくことが出来ると考えられます。
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