難治性炎症性疾患である潰瘍性大腸炎(UC)の病因・病態に腸内細菌叢の乱れが関与していることが報告されているが、UC患者の予後との関連性を詳細に検討した研究は少ない。本研究では、活動度、難治性、臨床的再燃と腸内細菌叢の乱れや菌種の相違との関係について16S rRNA-sequencing法による細菌叢解析をおこなった。臨床的スコアや便中カルプロテクチン高値群においてビフィドバクテリウム属の低下が確認された。難治例においてはShannon indexが非難治例に比べ低値であったが、菌種については明らかな相違を確認することはできなかった。また臨床的再燃に寄与する2つの細菌叢の有意な変化が確認された。
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