ヒト大腸癌とヒト骨肉腫細胞を用いた研究により、幹細胞性が高い細胞は、概日周期が弱いことを発見した。また通常の細胞では概日周期により細胞周期が制御されているが、幹細胞性の高い細胞では逆に細胞周期によって概日周期が制御されていることを示唆する結果をクロマチン免疫沈降と細胞周期阻害剤による実験によって得ることができた。更に正常細胞では化学療法薬投与により、細胞障害を受けやすい時間帯が存在するが、癌幹細胞ではないことから、正常細胞に対して影響の少ないタイミングで化学療法を行うことで、体細胞への副作用を抑え、がん幹細胞へは効果の高い治療を行うように応用することが可能と考えられる。
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