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2019 年度 実施状況報告書

唾液による不顕性誤嚥とIPF急性増悪との関連

研究課題

研究課題/領域番号 19K08628
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

鈴木 朋子  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10400342)

研究分担者 新妻 一直  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40106365)
齋藤 美和子  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40753009)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード特発性肺線維症急性増悪 / 誤嚥 / 気管支肺胞洗浄液 / アミラーゼ / ペプシン
研究実績の概要

特発性肺線維症(IPF)の予後規定因子の一つである急性増悪に唾液による不顕性誤嚥が関わっているのではないかというコンセプトで、本研究を開始した。2019年度は、下記の通り実施した。
1.in vitro:ヒト肺胞上皮細胞であるA549細胞を培養し、唾液由来のαアミラーゼを投与。線維化の前段階と言われるEMTの促進が見られるかを、E-cadherin、Vimentin等の発現をウェスタンブロッティングで確認した。アミラーゼ投与が短期間(1-3日間)の場合にはEMTの促進はみられなかったが、長期間(7日以上)投与の場合にEMTの促進が確認された。また、同様の条件で、線維化に関わるサイトカインtransforming growth factor-beta 1(TGFβ1)の活性化も確認したところ、やはり長期間のアミラーゼ処理にてTGFβ1が活性化されてくることがわかった。
2.臨床:福島県立医科大学の倫理委員会に、本研究における臨床検体使用の旨提出準備を行った。実験内容は、IPF患者およびIPF急性増悪患者の診断目的に行った気管支鏡検査で回収された気管支肺胞洗浄液(BALF)をアミラーゼやペプシンを測定するものである。これまで、誤嚥性肺炎のバイオマーカーとしてのBALF中のアミラーゼ・ペプシンに関する研究を行っており、先行研究としてBALF中のペプシン測定の系を確立した。これにより、「誤嚥」が関与したと思われる患者では、BALF中のアミラーゼ、ペプシンが有意に増加していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度後半に新型コロナウイルス感染が発生したことにより、大幅な移動制限、また呼吸器科医としての新型コロナウイルス患者の診察に忙殺されたことが主な原因である。

今後の研究の推進方策

2020年度は動物実験を中心に行う予定であったが、培養細胞を用いた実験を優先して行う方針としている。今後は、長期間のアミラーゼ処理に加え、アミラーゼによる濃度依存性を確認し、濃度と期間との関連でどの条件でアミラーゼによる炎症・線維化の促進がみられるのかを検討する。そのデータを基に、in vivoとしてブレオマイシン処理マウスを用いた誤嚥モデルを作成していく。
臨床に関しては、倫理委員会承認後、IPFおよびIPF急性増悪患者に診断目的に行われた気管支鏡検査でのBALFにてアミラーゼ、ペプシン濃度測定を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、in vitro実験に遅れが生じたことが主な原因である。次年度では、動物実験を中心に予定していたが、その前にin vitro実験において唾液アミラーゼの濃度依存性をみる必要がある。高濃度のアミラーゼを使用するにあたり、アミラーゼ購入などに余剰予算を当てる予定である。その上で予定となっている動物実験へつなげていく。

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公開日: 2021-01-27  

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