研究実績の概要 |
我々は、国内複数の施設で外科的肺生検もしくは剖検によって上葉優位型肺線維症(PPFE)と診断された52症例の臨床・画像・病理所見の解析を行い報告した(Ishii H, Watanabe K, et al. Respir Med, 2018)が、これらのデータをもとに本疾患の臨床診断基準の作成に取り組み、英文論文として報告した(1. Watanabe K, Ishii H, et al. Respir Investig, 57: 312-320, 2019)。さらに、膠原病関連肺疾患としてのPPFEに関する論文を報告した(2. Kinoshita Y, Watanabe K, Ishii H, et al. Virchows Arch, 474: 97-104, 2019)。 PPFEの新規血清バイオマーカーにおける探求を進めている。弾性線維関連蛋白であるLTBP2、LTBP4、FBLN4、FBLN5に関して組織切片を用いて蛋白定量を行った結果、 PPFE群におけるLTBP2、LTBP4、FBLN5の蛋白量は特発性肺線維症(IPF)群に比べ有意に高値であった。 さらに本研究に関連して、以下の論文を報告するに至った。PPFEとIPFの臨床的な比較(3. The similarities and differences between pleuroparenchymal fibroelastosis and idiopathic pulmonary fibrosis. Ishii H, Kinoshita Y, et al. Chron Respir Dis. 16:1-9, 2019.)。特発性PPFEにおける肺動脈リモデリングの特徴(4. Remodeling of the pulmonary artery in idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis. Kinoshita Y, Ishii H, et al. Sci Rep. 10(1):306, 2020.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床面では、PPFEの臨床診断基準のプロポーザルを作詞して英文論文として報告した(Watanabe K, Ishii H, et al. Respir Investig, 57: 312-320, 2019)。膠原病関連肺疾患としてのPPFEに関する論文も報告した(Kinoshita Y, Watanabe K, Ishii H, et al. Virchows Arch, 474: 97-104, 2019)。 基礎研究ではPPFEの新規血清バイオマーカーにおける探求を進めており、PPFE群における弾性線維関連蛋白LTBP2、LTBP4、FBLN5の蛋白量が有意に高値であることを見出した。 以上の結果は、順調に研究が進展していることを意味する。
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