研究実績の概要 |
国内複数の施設から持ち寄った上葉優位型肺線維症(PPFE)52症例の臨床・画像・病理所見の解析を行い報告し(Ishii H, et al. Respir Med, 2018)、これらのデータをもとに本疾患の臨床診断基準案を報告した(Watanabe K, Ishii H, et al. Criteria for the diagnosis of idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis: A proposal. Respir Investig, 57: 312-320, 2019)。さらにこの診断基準案を評価する目的で、当科の症例を用いて検証し、報告した(Ikeda T, Ishii H, et al. Physiological Criteria Are Useful for the Diagnosis of Idiopathic Pleuroparenchymal Fibroelastosis. J Clin Med 9(11):E3761, 2020)。また、本診断基準案で重要視された生理学的な基準を基にした予後予測モデルを作成・検討中である。 PPFEの新規血清バイオマーカー探求においては、とくに弾性線維関連蛋白であるFBLN4(latent transforming growth factor-β binding protein 4)が、肺組織および血清で高値を示すことを見出した。予後との関連性も示唆され、重要な所見として報告した(Kinoshita Y, Ishii H, et al. Serum latent transforming growth factor-β binding protein 4 as a novel biomarker for idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis. Respir Med Sep17;171:106077, 2020)。さらに本研究に関連しては、国内全国規模で検討を行う準備が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床面では、作成したPPFE臨床診断基準案を評価する目的で、当科の症例を用いて検証し、報告した(Ikeda T, Ishii H, et al. J Clin Med 9(11):E3761, 2020)。また、本診断基準案で重要視された生理学的な基準を基にした予後予測モデルを作成・検討中である。 基礎研究では、弾性線維関連蛋白であるFBLN4がPPFE患者の肺組織および血清で高値を示し、予後との関連性も含めて重要な所見として報告した(Kinoshita Y, Ishii H, et al. Respir Med Sep17;171:106077, 2020)。さらに本研究に関連しては、国内全国規模で検討を行う準備が進んでいる。 以上の結果は、順調に研究が進展していることを意味する。
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