研究課題/領域番号 |
19K08659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 純平 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50332929)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 硫化水素 / 呼気ガス分析 / 呼気硫化水素 / 呼気一酸化窒素 / 気管支喘息 / 喘息コントロール / 急性増悪 / 経年的呼吸機能低下 |
研究成果の概要 |
我々は血液/喀痰中硫化水素濃度測定が、喘息の難治化に関与する好中球性炎症の指標となることを発見した.そこで、呼気硫化水素濃度(FeH2S)測定器を独自に開発し、健常者11名、喘息患者86名に測定した.喘息患者のFeH2Sは健常者より有意に高く、喀痰好中球割合と有意な正の相関を示した.更に、コントロール不良喘息患者や前年度増悪発症喘息患者でFeH2Sが有意に高値を示し、一秒量の経年的低下との間には負の相関傾向を認めた.以上より、FeH2S測定は簡便かつ鋭敏で非侵襲的な好中球気道炎症の指標として、更に喘息のコントロール状態、増悪や経年的呼吸機能低下の予測指標として利用できる可能性が示唆された.
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自由記述の分野 |
呼吸器病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喘息の病態生理学的特徴である気道炎症にはフェノタイプがあり、中でも好中球性炎症優位型喘息は治療反応性や予後が不良であることが明らかになってきた.我々は簡便かつ非侵襲的に好中球性気道炎症をモニタリングする指標として呼気硫化水素濃度(FeH2S)測定器を新たに開発し、特許を取得すると共に、喘息の疾患活動性とFeH2Sが関連することを明らかにした.今後、喘息に関しては、他の疾患活動性バイオマーカーと組み合わせることで、更なる良好なコントロールが得られることが期待される.加えて、慢性閉塞性肺疾患、肺炎など多くの好中球炎症性呼吸器疾患の活動性をモニタリングする指標として広く応用できる可能性も期待される.
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