研究課題/領域番号 |
19K08709
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
平和 伸仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (20315766)
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研究分担者 |
藤原 亮 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (20733447)
坂 早苗 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (90723320)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高血圧 / ATP2B1 / Ca代謝 |
研究実績の概要 |
高血圧は、脳心血管病の最も強い関連要因であり、本邦において4,300万人もの国民が罹患していると推定されている。一方で、降圧目標に達している高血圧患者は、先進国においても我が国は特に低いことが問題である。高血圧発症には、遺伝的要因が関連していることが示されている。我々は、ヒトミレニアムプロジェクトによりSNPsおよびマイクロサテライトマーカーを用いたゲノムワイド解析を行い、高血圧に関連する遺伝子を探索した。そのなかでもATP2B1遺伝子が、一般的なアリル頻度も高く、かつ血圧に与える影響が大きいことがわかってきた。本遺伝子は、CaポンプであるPMCA1を規定する遺伝子であり、細胞内(サイトゾル)のCaを汲み出すことにより、細胞内Ca濃度を調節していると考えられている。本遺伝子機能が低下すると細胞内Ca濃度が上昇して、さまざまな機能が亢進する可能性があると考えて、我々はCre-loxpシステムを用いて、血管平滑筋におけるATP2B1発現を抑制すると、血管平滑筋細胞のCa濃度が上昇するとともに、血管収縮力が高まることを証明し報告した。さらにこのマウスでは、カルシウム拮抗薬に対する感受性が高いことが明らかとなり、本遺伝子が実臨床においても、テーラーメイド医療に役立つ可能性を明らかにしてきた。血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の積により決定されるため、体液量の影響を強く受ける。。 そこで、我々は、本研究で、腎臓におけるATP2B1の役割を明らかにするために尿細管特異的なATP2B1KOマウスを作成し、その意義を解明することとした。ATP2B1 exon10をtargetとしてloxpで挟み込んだloxPマウスと遠位尿細管(~集合管)にCreを発現すKSP(cadherin16)マウスを用いて、 尿細管特異的ATP2B1ノックアウトマウスを作成し、その病態生理学的意義を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的とするマウスの作成、解析を行い、新たな病態が示されたため、別のKOマウス作成しての確認実験および論文化に予定よりも時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、論文化と公表を目指して、研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文化のための費用として残してある。
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