研究課題/領域番号 |
19K08748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江川 形平 京都大学, 医学研究科, 講師 (50511812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | T cell / homeostatic expansion / skin / homeostasis |
研究成果の概要 |
本研究は炎症のない皮膚へT細胞がどのように浸潤するか、またその役割の解明を目指した。T細胞を欠損するRagKOマウス等にT細胞を移入するHomeostatic expansionモデルを用いた。このモデルでは移入後7日までにT細胞の著明な増殖が生じ、炎症のない皮膚へ多数のT細胞が遊走した。増殖したT細胞はほぼ全てメモリー型(CD44+)であり、Th1、Th17への分化傾向を示した。生体イメージングにより主にCD8+T細胞が表皮内へ浸潤し、とくに毛包周囲へ集積し、60日以上にわたって皮内に留まる様子が観察された。T細胞の移入時に制御性T細胞を除くと、皮膚炎が自然発症することが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
Dermatology
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗原非特異的にT細胞が増殖するHomeostatic expansionという現象は、生理的には新生児期、骨髄移植後、免疫抑制状態(AIDS患者や免疫抑制剤使用患者)からの回復時などで見られる。これらの状態では、新生児中毒性紅斑、脂漏性皮膚炎、好酸球性膿疱性毛包炎、免疫再構築症候群(IRIS)などの病態が生じることが知られる。本研究の成果からこれらの病態では炎症のない皮膚へのT細胞浸潤が増加し、host-parasite relationshipの変化が生じることが示唆された。この現象のメカニズム解明が進めば、これらの病態を制御する新たな治療標的などへとつながる可能性がある。
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