研究課題
基盤研究(C)
本研究では、OSM(オンコスタチンM)やIL(インターロイキン)-31の受容体を構成するOSMRβ(オンコスタチンM受容体β)が関与する痒みの機序を明らかにすることを目的とした。OSM刺激によって表皮角化細胞と後根神経節では、いくつかの痒みに関連する受容体の発現量が変化した。マウスを用いたin vivoの検討を行い、OSMがある特定のサイトカインの受容体の発現を抑制して、そのリガンドによる痒みを減弱させることが明らかとなった。
皮膚科学
本研究によってOSMおよびOSMRβが、痒み刺激の制御に関与していることが明らかとなった。痒みの治療薬として抗ヒスタミン薬が古くから存在し、最近ではIL-31刺激をブロックするIL31RAに対するモノクローナル抗体(Nemolizumab)がアトピー性皮膚炎の痒みに対する治療薬として開発が進んでいる。本研究成果によって、OSMRβを刺激または調節することによって痒みを制御することが可能であることが明らかになり、痒みに対する効果的な治療薬の開発につながることが期待できる。