成体毛包の再生能を生涯にわたって支える毛包上皮幹細胞が、胎仔期に正しい場所、正しいタイミングで誘導される機構については、いまだ十分に理解されていない。そこで本研究では、毛包幹細胞へのlineage primingのメカニズムを理解することを目指した。私たちはこれまでに、1細胞解像度のライブイメージングと1細胞トランスクリプトーム解析を組み合わせたマルチオミクス解析から、毛包幹細胞の発生起源と形成過程を明らかにした。さらに将来の毛包幹細胞は、発生過程においてWnt low/Bmp highの領域から生まれ育まれることを見出した (Morita et. al, Nature 2021)。
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