ヒトの設計図とされるゲノムには、遺伝子をコードする部分(CDS領域)とそれ以外(非CDS領域)の部分がある。これまで白血病の発症には、CDS領域の変異により遺伝子の機能がおかしくなることが重要とされてきた。一方でCDS領域は全ゲノムの約2%未満に過ぎず、非CDS領域の異常については解明が進んでいなかった。今回の研究で、非CDS領域の特定の部分に異常があると、遺伝子そのものに異常がなくとも遺伝子同士のネットワークがおかしくなって白血病の発症に関与することが明らかとなった。そしてその異常を是正する薬剤が白血病治療に役立つ可能性を示すことができた。
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