今回発見した家系は動静脈血栓症が多発している点が特徴であり、このような病態を伴った先天性血小板減少症家系の報告はない。本家系のGPR25遺伝子変異が血小板減少と血栓性素因を関連づける原因になっているのではないかと推測しており、新たな先天性血小板減少症として独立した疾患概念を確立することができる。原因不明の先天性血小板減少症の患者はITPと診断されていることが多いが、新たな血小板減少症の遺伝子診断が可能になれば、ITPと診断されている患者の中から別の単一疾患を分離できることになり、必要ないITPとしての治療(免疫抑制剤やトロンボポエチン受容体作動薬など)を避けることができるようになると考える。
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