骨髄異形成症候群(MDS)は、高齢者に好発する難治性血液疾患で、血球数低下をきたし、時に自己炎症性疾患を併発する。MDSの血球数低下には免疫介在性細胞障害が関与している。私達はMDSにおけるNK免疫の関与を調べるために、患者血清のNKG2Dリガンド値を調べた。その結果、MDS患者の血清NKG2Dリガンド値は健常人よりも低値であることがわかった。この結果は血球数低下をきたす類似疾患(再生不良性貧血や発作性夜間血色素尿症)と異なっており、鑑別診断に有用である。また、MDSのモデルマウスを作成したところ、血球数低下の他、自己炎症性腸炎を発症した。このマウスはMDSの免疫病態を調べる上で有用である。
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