家族性血小板異常症(FPD)は血小板異常・高い骨髄性悪性腫瘍発症率を特徴とする遺伝性の血液疾患である。本研究ではFPDのDNAメチル化異常を明らかにすることを目的に行った。 CRISPR/Cas9システムによってFPDモデルiPS細胞を3株樹立し、in vitroで造血前駆細胞および巨核球に分化誘導を行った結果、FPDモデル細胞では分化異常が示された。また、造血前駆細胞でのDNAメチル化異常を同定し、高メチル化異常部位にETSファミリー転写因子結合モチーフが濃縮していることを見出した。このことは、ETSファミリー転写因子がFPDにおいてDNAメチル化異常を誘発していることを示唆している。
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