我々は、これまでにエーラス・ダンロス症候群の原因分子である亜鉛トランスポーターZIP13がベージュ化を抑制することを見出している(Fukunaka A, PLoS Genet. 2017)。脂肪細胞におけるZIP13の役割をより詳細に調べるために、成熟脂肪細胞特異的にZip13を欠損したマウスを作成し解析した。その結果、このマウスの脂肪細胞では脂肪分解が亢進し、抹消組織で脂質がより優先的に消費されることで、肥満に抵抗性を示すことを見出した。また、その分子機序を調べたところ、ZIP13は成熟脂肪細胞では細胞内の鉄量を変化させることにより脂肪分解を抑制していることが判明した。
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