本研究は、精巣と副腎皮質におけるステロイドホルモン生合成細胞間のリプログラミングによる相互代償機構の解明を目指し、副腎を摘出した野生型マウスのグルココルチコイド産生能を内分泌学的(コルチコステロン産生能)かつ遺伝学的(トランスクリプトーム)に解析した。本研究の結果から、副腎摘出後の成獣マウスの精巣では、胎生期ないし新生仔期とは異なり、グルココルチコイド産生細胞へのリプログラミングが起こりにくいことが判明した。精巣におけるグルココルチコイド産生細胞へのリプログラミングには臨界期が存在することが示唆される。
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