研究課題/領域番号 |
19K09201
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
秋月 恵美 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20404626)
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研究分担者 |
竹政 伊知朗 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50379252)
奥谷 浩一 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70457703)
沖田 憲司 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70517911)
西舘 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80404606)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | LARS / 直腸切除後症候群 / 排便障害 / 直腸癌 / 経肛門手術 / ISR / 術後合併症 / QOL |
研究実績の概要 |
下部直腸癌手術で肛門温存症例550例(2016-2018後ろ向きデータ収集、2019年以降前向きデータ収集)を行い、患者背景、術式、各種手術手技、指導介入の有無から直腸切除後排便障害:LARSの発症および重症度に関連する因子、そしてLARS軽減のための予防・治療法を明らかにすることを目的に研究を行った。 日本語版LARS scoreのvalidation報告を学会及び論文で発表した。さらにLARS評価にはLARS score を使用することが重要であり、従来LARS評価に頻用されてきた便失禁スコアのCCISでは排便障害が検出されない症例が4割存在すること、LARS のスクリーニングにはLARS score使用を推奨することも論文報告した。 LARSには年齢が関連し、高齢者ではLARSが軽度となる傾向を認め、これを論文報告した。一方で、同一術式・同年代でもLARSの経過が大きく異なる症例も散見された。 今後の課題としては、術前からのBFT併用による肛門内圧低下の軽減効果とLARSへの影響の検証、またLARS予防・治療のための生活習慣・食習慣の指導や薬剤使用のフロー作成、メンタルサポート体制の構築、などが挙げられる。 前向き観察研究としてLARS治療介入を要する超低位前方切除および括約筋間直腸切除術を行った患者の術前および術後の排便状況、肛門内圧を継続集積し症例数は209例となった。特に経肛門アプローチを施行し人工肛門閉鎖後1年を経過した136例のデータを解析し、学会報告を行った。本報告は手術手技に関するシンポジウムで行っており、手術の短期・長期成績だけでなく機能温存・術後排便機能の重要性を広く伝えることができた。本研究で得られた知見から手術操作で注意を要する解剖学的構造を検討し、カダバー解剖および手術ビデオ解析、MRI解析から臨床応用の可能性を検討中である。
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